ドライヤーの温風が出ない・異音がする原因は?自分でできる対処法と安全対策
ドライヤーの不調、自分で直せる?安全な対処法をご紹介
毎日使うドライヤーが突然、温風が出なくなったり、変な音がするようになったりすると困ってしまいますね。すぐに新しいものを購入するのも一つの手ですが、もしかしたら簡単な原因で、ご自身で対処できる場合があります。
この記事では、ドライヤーによくある不調の原因と、初心者の方でも安全に試せる簡単な対処法、そして何よりも重要な安全対策について詳しく解説します。費用を抑えたい方や、少しでも自分で家電のメンテナンスに挑戦してみたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
ただし、家電の修理には感電や火傷、火災などのリスクが伴います。この記事でご紹介するのは、あくまでご自身で安全に確認・対処できる範囲に限られます。少しでも不安を感じる場合や、ご紹介する方法で改善しない場合は、無理をせず専門の修理業者に依頼するか、買い替えを検討することが大切です。
温風が出ない、冷風しか出ない主な原因
ドライヤーの電源は入るのに温風が出ない、あるいは冷風しか出ないという場合、いくつかの原因が考えられます。
- 吸込口・吹出口のホコリや髪の毛の詰まり: これが最も一般的な原因の一つです。特に吸込口には、使用中にホコリや髪の毛が吸い込まれやすく、フィルターがある場合でも、その周りや内部に詰まりが発生することがあります。これにより、空気の流れが悪くなり、ヒーター部分が過熱を防ぐために停止したり、十分な温風が出なくなったりします。
- 本体内部のコードの断線: 本体と電源コードの接続部分や、コードの途中で内部の電線が断線しかかっている場合、電気が十分に流れず、ヒーターが温まらないことがあります。コードを特定の角度に曲げると温風が出たり出なかったりする場合は、断線の可能性が高いです。
- ヒーター部分の故障: 長年の使用により、ヒーター自体が劣化したり故障したりすることがあります。
- 安全装置の作動: 過熱を防ぐための安全装置(サーモスタットなど)が作動し、一時的にヒーターへの電力供給を遮断している場合があります。
異音がする主な原因
ドライヤーから「キュルキュル」「カラカラ」「ゴーゴー」といった普段と違う異音がする場合も、いくつかの原因が考えられます。
- 吸込口や吹出口からの異物混入: 髪の毛の切れ端、ホコリの塊、小さなゴミなどが吸込口から入り込み、ファンに接触して音を立てている場合があります。
- ファンの軸の劣化やズレ: ファンが回転する軸の部分が劣化したり、わずかにズレたりすることで異音が発生することがあります。
- モーターの劣化: ドライヤーの風を送り出すモーター自体が劣化し、回転時に異音を発することがあります。
ご自身でできる安全な対処法(初心者向け)
ここでは、特別な工具や分解を必要としない、比較的安全にご自身で試せる対処法をご紹介します。作業を行う前には、必ず以下の「安全に関する注意点」を熟読し、厳守してください。
1. 吸込口(フィルター)や吹出口の掃除
多くのドライヤーの吸込口には、ホコリや髪の毛の吸い込みを防ぐためのフィルターが付いています。ここが詰まると、風量が落ちるだけでなく、温風が出なくなる原因にもなります。
【手順】
- 必ず電源を切り、コンセントから電源プラグを抜いてください。
- ドライヤー本体が冷めていることを確認してください。
- 吸込口のカバーが取り外せるタイプであれば、取扱説明書を参照してカバーを取り外します。カバーが外れない一体型の場合は、カバーの上から掃除を行います。
- たまったホコリや髪の毛を、古い歯ブラシや小さなブラシ、綿棒などを使って優しくかき出します。
- 掃除機のアタッチメント(隙間ノズルなど)を使って、吸込口や外したカバーのホコリを吸い取ります。掃除機を使う際は、ドライヤーの小さな部品やカバーを誤って吸い込まないように注意してください。
- 吹出口にもホコリや髪の毛が付着している場合は、同様にブラシや綿棒で優しく取り除きます。
- 取り外したカバーは、ホコリを綺麗にしてから元の通りに取り付けます。
- 最後に、もう一度電源プラグをコンセントに差し込み、電源を入れて動作を確認します。
【ポイント】 * フィルターのメッシュが細かく、ホコリが取りにくい場合は、無理に奥まで突っ込まず、表面のホコリを取り除くことを優先してください。 * 濡れた布や洗剤は使用しないでください。感電や故障の原因になります。
2. 異物の確認と除去(吸込口・吹出口)
ドライヤーから異音がする場合、吸込口や吹出口に何か異物が挟まっていないかを確認します。
【手順】
- 必ず電源を切り、コンセントから電源プラグを抜いてください。
- ドライヤー本体が冷めていることを確認してください。
- 吸込口や吹出口をよく見て、髪の毛の塊や小さなゴミなどが入り込んでいないか確認します。
- もし異物が見つかった場合は、ピンセットなどを使って慎重に取り除きます。奥に入り込んでいる場合や、ファンに絡まっているように見える場合は、無理に自分で取ろうとせず、作業を中断してください。 ファンに触れることは大変危険です。
- 異物を取り除いたら、電源プラグを差し込み、動作を確認します。
【ポイント】 * ファンが見える位置に異物があっても、安易に指や金属製のものを差し込まないでください。怪我や感電、ドライヤーの破損につながります。 * 取り除けない異物や、分解が必要と思われる箇所に異物がある場合は、プロに任せましょう。
3. 電源コードの確認
電源コードにねじれや強い曲がり癖がないか確認し、まっすぐに戻してみてください。また、プラグ部分がコンセントにしっかり差し込まれているか確認します。
【ポイント】 * コードに目に見える傷や劣化がある場合は、使用を中止してください。感電や火災のリスクがあります。
安全に関する最重要注意点
ドライヤーは電気と熱を使用する製品です。ご自身で対処する際は、以下の安全対策を厳守してください。これらの注意点を怠ると、感電、火傷、火災などの重大な事故につながる可能性があります。
- 必ず電源を切り、コンセントから電源プラグを抜いてください。 作業中の誤作動や通電による感電を防ぐため、これは修理・メンテナンス作業の鉄則です。
- 本体が完全に冷めるまで待ってください。 使用直後のドライヤーは非常に高温になっています。吹出口や本体内部に触れると、重度の火傷を負う可能性があります。最低でも電源を切ってから10分以上、可能であればそれ以上の時間をおいてください。
- 濡れた手で触らないでください。 感電の危険性が高まります。
- 絶対に分解しないでください。 本体のネジを外したり、内部を開けたりする作業は、専門知識と技術が必要です。内部には高電圧がかかる部分や鋭利な部品、高温になるヒーターなどがあり、非常に危険です。ご自身での分解は絶対に行わないでください。
- 異臭や煙が出ている場合は、すぐに使用を中止してください。 焦げ臭い匂いや煙が出ている場合は、内部で異常が発生しているサインです。直ちにコンセントからプラグを抜き、使用を中止してください。そのまま使い続けると、火災につながる危険があります。
- コードに傷や劣化がある場合は使用しないでください。 電源コードの外皮が破れていたり、内部の電線が見えている場合は、感電やショートの危険があります。
- 少しでも不安を感じたら、無理をせずプロに任せる判断を。 ご自身で対処できる範囲は限られています。少しでも難しいと感じたり、状況が改善しない場合は、無理をせずメーカーの修理サポートや家電修理業者に相談しましょう。
費用について:自分でやるか、プロに頼むか、買い替えるか
ドライヤーの不調をご自身で対処できれば、費用はほとんどかかりません(掃除道具などがあれば)。これは大きなメリットです。
しかし、内部の故障やコードの断線など、ご自身で対処できない原因の場合は、修理業者に依頼するか、新しいドライヤーに買い替えるかを検討する必要があります。
- 修理業者に依頼する場合: 修理内容によって費用は大きく異なりますが、一般的なドライヤーの修理費用は数千円から1万円程度が目安となることが多いようです。ただし、古い機種や部品がない場合など、修理が難しいケースもあります。事前に見積もりを取り、費用や修理の可否を確認することが重要です。
- 買い替えの場合: ドライヤーの価格帯は幅広く、安価なものなら数千円で購入できます。修理費用が高額になる場合や、古いドライヤーを長く使っていて他の部分の劣化も懸念される場合は、最新機能を備えた新しい機種への買い替えが得策となることもあります。
修理を依頼する際は、費用だけでなく、信頼できる業者を選ぶことも大切です。サイト内には「信頼できる修理業者選びのポイント」に関する記事もありますので、そちらもぜひ参考にしてください。
まとめ
ドライヤーの温風が出ない、異音がするといった不調は、吸込口のホコリ詰まりなど、ご自身で安全に確認・対処できる簡単な原因である可能性があります。
本記事でご紹介した掃除や異物確認の方法を試す際は、必ず電源を切り、コンセントを抜き、本体が冷めていることを確認するという基本的な安全対策を徹底してください。無理な分解や、危険な作業は絶対に行わないでください。
ご自身での対処で改善しない場合や、少しでも不安を感じる場合は、無理をせず専門家(メーカーや修理業者)に相談するか、新しいドライヤーへの買い替えを検討することが、安全かつ賢明な選択です。
安全第一で、ドライヤーを快適に使い続けましょう。