【自分で解決】扇風機のうるさい異音・首振り故障は修理できる?原因と簡単メンテナンス
扇風機の異音や首振り故障、諦める前に自分でできるメンテナンスがあります
夏に欠かせない扇風機が、突然うるさい音を立てたり、首を振らなくなったりすると困りますよね。すぐに買い替えを検討する方もいらっしゃるかもしれませんが、実は異音や首振り故障の原因の多くは、簡単なメンテナンスで解決できる場合があります。
本記事では、扇風機によくある異音や首振り故障の主な原因と、技術スキルに自信がない方でも安全に挑戦できるメンテナンス方法を解説いたします。費用を抑えて扇風機を長く快適に使うための参考にしていただければ幸いです。
扇風機の異音や首振り故障の主な原因
扇風機の異音や首振り故障の原因は様々ですが、自分で対応しやすいものとしては以下が考えられます。
- ホコリや汚れの蓄積: 最も多い原因の一つです。羽根やカバー、モーター軸、首振り機構部にホコリがたまると、回転の妨げになったり、摩擦が増えたりして異音や動作不良を引き起こします。
- 潤滑油の不足: モーター軸や首振り機構部の潤滑油が切れると、部品同士の摩擦が増加し、異音や動きの渋さの原因となります。
- 部品の緩み: 長期間使用していると、羽根やカバーを固定しているネジなどが緩むことがあります。これがガタつきや異音につながることがあります。
これらの原因であれば、適切な手順でメンテナンスを行うことで改善が見込めます。
初心者でも挑戦できる扇風機の簡単メンテナンス手順
ここでは、比較的安全で簡単なメンテナンス手順をご紹介します。作業を行う際は、必ず以下の安全に関する注意点を守ってください。
【最重要】作業前の安全確認
何よりもまず、作業を始める前に必ず扇風機の電源を切り、コンセントからプラグを抜いてください。感電の危険がありますので、電源が入った状態やプラグがコンセントに繋がった状態では絶対に作業しないでください。プラグを抜いたら、念のため数分間待つとより安全です。
ステップ1:外装の清掃
羽根やカバーに付着したホコリを取り除きます。
- 前面カバーを取り外します。多くの機種は、カバーの縁にあるクリップやネジを外すことで取り外せます。取り外し方は取扱説明書を確認してください。ネジが使われている場合は、小さいものが多いため、紛失しないように小皿などに入れておくと良いでしょう。
- 羽根を固定しているキャップやネジを外して、羽根を取り外します。羽根は回転方向と逆方向に回すと外れることが多いですが、機種によって異なりますので取扱説明書を確認してください。羽根を外す際、軸に指を挟まないように注意が必要です。
- 取り外したカバーや羽根のホコリを、掃除機や柔らかいブラシ、乾いた布で丁寧に拭き取ります。水洗い可能な部品かどうかは取扱説明書で確認し、水洗いした場合は完全に乾かしてから取り付けます。
- 本体や背面のカバーのホコリも拭き取ります。背面のカバーは分解せず、外側から掃除機で吸い取るか、ブラシで優しく払う程度に留めるのが安全です。
ステップ2:首振り機構部周辺の確認と清掃
首振りをする根本部分や、本体の後ろにある首振りボタン周辺もホコリがたまりやすい箇所です。
- 本体の後ろ側、首振り用のノブやボタンがある周辺を目視で確認します。
- 見える範囲にホコリがたまっていれば、ブラシや綿棒などで優しく取り除きます。この部分は部品が細かい場合があるので、無理に奥まで掃除しようとせず、見える範囲に留めておくのが安全です。
- 首振り機構部自体を分解して清掃するのは、部品が多く元に戻せなくなるリスクがあるため、初心者の方には推奨しません。
ステップ3:モーター軸の簡単な確認と注油(可能な範囲で)
羽根を外した状態で見えるモーターの軸部分の確認と、簡単な注油を行います。
- 羽根を取り外した後のモーター軸に、ホコリや髪の毛などが絡まっていないか確認します。絡まっていれば、ピンセットなどで慎重に取り除いてください。
- モーター軸の回転が渋いと感じる場合、軸受部分にごく少量の潤滑油(ミシン油など、サラサラとした油)をさしてみます。油をさしすぎるとホコリが付着しやすくなったり、モーターの故障につながる可能性があるため、本当に少量(1滴程度)に留めてください。また、間違って電気部品に油がかからないように注意が必要です。スプレー式の潤滑剤は飛び散りやすく、電気部品にかかるリスクが高いため、避けるのが無難です。
- モーターの分解や、軸受のさらに奥への注油は専門知識が必要なため、無理に行わないでください。
ステップ4:部品の取り付け直しとネジの確認
清掃が終わったら、外した部品を元通りに取り付けます。
- 取り外した時と逆の手順で、羽根、前面カバーを取り付けます。
- 羽根を固定するキャップやカバーを固定するネジをしっかりと締めます。ただし、強く締めすぎると部品を破損させる可能性があるため、部品がグラつかない程度に、適切な力加減で締めてください。
- 本体のネジ(分解していない範囲で確認できるもの)に緩みがないかも確認します。緩んでいれば軽く締め直しますが、これも締めすぎには注意が必要です。
ステップ5:動作確認
全ての部品を取り付けたら、コンセントにプラグを差し込み、電源を入れて動作確認をします。
異音や首振りの状態が改善されたか確認してください。もし改善が見られない場合や、異音が大きくなった、異臭がするなど異常を感じた場合は、すぐに使用を中止してください。
必要な工具・材料
簡単なメンテナンスには、一般的に以下のものがあると便利です。
- プラスドライバー: カバーのネジを外す際に必要になることがあります。ネジのサイズに合ったものを用意してください。
- 掃除機: カバーや羽根、本体の大きなホコリを吸い取るのに役立ちます。
- 柔らかいブラシ: 羽根や細かい部分のホコリを払うのに使います。使い古しの歯ブラシなども代用可能です。
- 乾いた布: 拭き掃除に使います。
- 綿棒: 首振り部分など、狭い場所のホコリ取りに便利です。
- 潤滑油(ミシン油など): モーター軸の回転が渋い場合に少量使用します。家電用の潤滑油があれば最適ですが、ミシン油などサラサラしたタイプが適しています。粘度の高い油は避けてください。
- 小皿やトレイ: 外したネジなどを入れておくと紛失を防げます。
安全に関する特に重要な注意点
繰り返しになりますが、扇風機のメンテナンスにおいて安全は最優先です。以下の点に特に注意してください。
- 必ず電源を切り、コンセントを抜く: 感電の危険を避けるための絶対条件です。プラグを抜いた後も、コンデンサなどに電気が残っている可能性があるため、数分待ってから作業を開始するとより安全です。
- 濡れた手で作業しない: 感電の危険が高まります。
- 無理な分解はしない: ネジが見えない場所や、固くて開かない場所を無理に分解しようとすると、部品を破損させたり、元に戻せなくなったりするリスクがあります。自信がない部分は触らないようにしましょう。
- 電気部品に触れない・水をかけない: ショートや感電、故障の原因となります。モーター内部や基板など、電気部品が集まっている部分には触れないでください。水拭きも、完全に乾くか確認できない部分は避けるべきです。
- 油の使い過ぎに注意: 特にモーター部分への油のさしすぎは、故障やホコリの付着を招くため危険です。ごく少量に留め、電気部品にかからないように細心の注意を払ってください。
- 異臭や異常な音がある場合は使用を中止: 焦げ臭い匂いがする、煙が出る、異常に大きな音がするといった場合は、モーターの異常や電気系統のトラブルの可能性があります。すぐに使用を中止し、専門業者に相談するか、買い替えを検討してください。火災の原因となる可能性があり大変危険です。
自分で修理する場合とプロに依頼する場合、買い替えの場合の費用比較
簡単なメンテナンスであれば、必要な工具や材料費のみで済むため、費用は数百円から数千円程度で収まることがほとんどです。自分で直せれば、買い替え費用(数千円〜数万円)と比較して大幅に費用を抑えることができます。
一方で、専門業者に修理を依頼する場合、部品代に加えて技術料や出張費がかかるため、修理費用は機種や故障内容にもよりますが、5千円から1万円以上になることも珍しくありません。修理費用が扇風機の購入価格とあまり変わらない場合や、製造から年数が経っている場合は、買い替えの方が経済的な選択となることもあります。
簡単なメンテナンスで改善しない場合や、分解が必要な複雑な故障、または安全に不安がある場合は、無理せず専門の修理業者に相談するか、新しい扇風機への買い替えを検討するのが賢明です。
まとめ:安全第一で扇風機のメンテナンスに挑戦してみましょう
扇風機のうるさい異音や首振り故障は、ホコリの蓄積や潤滑油の不足など、簡単なメンテナンスで改善する可能性があります。ご紹介した手順を参考に、安全に十分配慮しながら、ぜひ一度ご自宅の扇風機のメンテナンスに挑戦してみてください。
ただし、少しでも不安を感じる場合や、メンテナンスを行っても改善しない場合、異臭などの異常がある場合は、無理をせず専門の業者に相談することをお勧めいたします。安全を最優先に、扇風機を快適に使い続けていきましょう。