【安全第一】ヘアアイロン・コテが温まらない・電源が入らない原因と自分でできる確認・対処法
ヘアアイロンやコテは、私たちの生活に欠かせない身近な家電製品の一つです。しかし、突然電源が入らなくなったり、温まらなくなったりすると、大変困ってしまいます。このような故障に直面した際、すぐに業者に修理を依頼したり、新しい製品に買い替えたりする前に、ご自身で安全に原因を確認し、対処できる場合があります。
この記事では、ヘアアイロンやコテが「電源が入らない」「温まらない」といった症状の原因として考えられることや、初心者の方でも安全に取り組める確認方法、そして自分でできる簡単な対処法について、丁寧にご説明いたします。ただし、熱を扱う家電であるため、火傷や感電のリスクには十分な注意が必要です。安全を最優先に考え、無理のない範囲で作業を行いましょう。
ヘアアイロン・コテが故障かな? 確認したい症状
ヘアアイロンやコテでよく見られる故障のサインには、以下のようなものがあります。
- 電源ボタンを押してもランプがつかない、電源が入らない。
- 電源は入るようだが、設定温度まで温まらない、あるいは全く温まらない。
- 使用中に突然電源が切れる。
- 焦げ臭いにおいや異音がする。
- 電源コードが異常に熱くなる、変形している。
これらの症状が出た場合、いくつかの原因が考えられますが、まずはご自身で安全に確認できることから始めてみましょう。
自分でできる安全な確認手順
ヘアアイロンやコテの故障が疑われる場合、ご自身で以下の点を確認してみてください。作業を行う際は、必ず安全を確保してから始めてください。
安全に関する最重要注意点:
- 作業を始める前に、必ず壁のコンセントから電源プラグを抜いてください。
- 本体がまだ熱い可能性があるので、完全に冷めるまで待ってください。火傷の危険があります。
- 電源コードに、被覆の破れ、芯線の露出、不自然な曲がりやねじれ、変色など、傷みが見られる場合は、絶対に触ったり動かしたりしないでください。そのまま使用を中止してください。
- 濡れた手でコンセントや本体、電源コードに触ることは絶対に避けてください。感電の危険があります。
- 本体を分解しようとしないでください。内部には高電圧の部分があり、感電や火災の原因となる可能性があります。
これらの注意点を守った上で、以下の手順で確認を進めてください。
ステップ1:電源プラグと電源コードの状態を確認する
電源プラグがコンセントにしっかりと差し込まれているか確認してください。緩んでいる場合はしっかりと差し込み直します。 次に、電源コード全体を目視で確認します。コードに傷、ひび割れ、被覆の破れ、異常な曲がりやねじれがないか、本体との接続部分に負担がかかっていないかなどを丁寧にチェックしてください。
- 注意点: もしコードに明らかな傷みが見られる場合、内部で断線しているか、ショート寸前の状態かもしれません。そのまま使用を続けるのは非常に危険ですので、直ちに使用を中止してください。
ステップ2:使用しているコンセントを確認する
別の家電製品(例えば携帯の充電器など、安全に動作確認できるもの)を、ヘアアイロン・コテを差し込んでいたコンセントに差し込んでみてください。その家電製品が正常に動作するか確認します。 もし他の家電もそのコンセントで使えない場合は、コンセント自体や、そのコンセントにつながる配線、あるいはブレーカーに問題がある可能性があります。
- 注意点: コンセントやブレーカーに関する電気工事は専門の資格が必要です。ご自身で無理な作業は行わないでください。
ステップ3:本体のスイッチや設定を確認する
電源スイッチが正しくオンになっているか、温度設定がある場合は適切に設定されているかを確認します。製品によっては、特定のボタンを長押ししないと電源が入らないものや、安全のために一定時間操作しないと自動で電源が切れる機能(オートパワーオフ機能)が付いているものもあります。取扱説明書を確認し、正しい操作方法を改めて試してみてください。
- 補足: 単純な操作ミスや、自動電源オフ機能が作動していただけというケースも少なくありません。
ステップ4:本体プレート部分や内部の汚れを確認する
プレート部分や、本体の隙間に髪の毛、ホコリ、整髪料などが付着していないか確認します。これらの汚れが蓄積すると、熱の伝わりが悪くなったり、接触不良を引き起こしたりする可能性があります。
- 注意点: 確認する際は、必ず電源プラグを抜き、本体が完全に冷えていることを確認してから行ってください。
考えられる原因と自分でできる対処法
上記の確認手順を踏まえた上で、考えられる原因とご自身で安全に取り組める対処法を以下に示します。
原因1:電源プラグや電源コードの不具合
- 考えられる状況: プラグが緩んでいた、コードに傷みがある。
- 自分でできる対処法: プラグの差し込み直しは安全に行えます。しかし、電源コードに傷みが見られる場合は、絶対に自分で修理しようとしないでください。感電や火災の非常に高いリスクを伴います。 この場合は使用を中止し、買い替えを検討するか、専門業者に相談してください。
原因2:使用しているコンセントや電源回路の問題
- 考えられる状況: コンセントに電気が来ていない、ブレーカーが落ちている、タコ足配線で容量を超えている。
- 自分でできる対処法: 他のコンセントに差し替えてみる、ブレーカーを確認して上げる(ただし頻繁に落ちる場合は専門業者に相談)。タコ足配線をしている場合は、ヘアアイロン・コテ単独でコンセントに差し込んでみてください。
- 注意点: 電気回路に関する作業は危険が伴います。不安な場合は専門の電気工事業者に相談してください。
原因3:本体内部の故障(断線、ヒーター故障、基板故障など)
- 考えられる状況: 電源コードに傷みがないのに電源が入らない、電源は入るが温まらない。
- 自分でできる対処法: 残念ながら、本体内部の故障はご自身で安全に修理することはほぼ不可能です。 本体を分解することは非常に危険です。この場合は、修理業者に依頼するか、新しい製品への買い替えを検討する時期と言えるでしょう。
原因4:本体プレート部分などの汚れ
- 考えられる状況: プレートや隙間に汚れが詰まっている。
- 自分でできる対処法: 必ず電源プラグを抜き、本体が完全に冷めていることを確認してから、柔らかい布(マイクロファイバークロスなど)や綿棒で優しく汚れを拭き取ります。落ちにくい汚れの場合は、家電製品用のクリーナーなどを少量使うこともできますが、製品の取扱説明書で推奨されている方法を確認してください。本体内部に水や洗剤が入らないように十分注意してください。
修理を依頼するか、買い替えるか?判断のポイント
自分で安全に確認できる範囲で原因が特定できなかった場合や、コードの傷みなど危険な状況が見られる場合は、ご自身での修理は断念し、専門業者への修理依頼または新しい製品への買い替えを検討することになります。
修理を依頼する場合
- 費用: ヘアアイロン・コテの修理費用は、故障内容やメーカー、業者によって大きく異なりますが、一般的に3千円〜1万円程度が目安となることが多いようです。メーカー修理は品質は保証されますが、費用が高めになる傾向があります。街の修理店では費用を抑えられる場合もありますが、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
- 信頼できる修理業者選び: インターネットで口コミや評判を調べる、修理実績が豊富か確認する、事前に見積もりをしっかり提示してくれるか、などを確認しましょう。
新しい製品に買い替える場合
- 費用: 製品の価格帯によりますが、安いものでは数千円から購入できます。
- メリット: 最新の機能(立ち上がりの速さ、温度調節の幅、髪へのダメージ軽減機能など)が得られる、メーカー保証が付く、安心して使用できる。
- 判断基準: 修理費用が製品の購入価格に近い場合や、製品の寿命が近いと考えられる場合は、買い替えの方が費用対効果が高いと言えます。一般的に、ヘアアイロン・コテの寿命は3年〜5年程度と言われています。
安全に関する最も重要なメッセージ
家電製品の修理において、最も大切なのは「安全」です。特にヘアアイロンやコテのように熱を発生させる製品や、電気を使用する製品は、一歩間違えると火傷や感電、火災といった重大な事故につながる可能性があります。
少しでも不安を感じたり、電源コードに傷みが見られたり、本体内部の異変が疑われる場合は、絶対に無理にご自身で修理しようとしないでください。 安全を最優先に、使用を中止し、専門家に相談するか、買い替えを検討してください。自分でできる安全な確認方法を試すことで、原因の切り分けや、その後の適切な判断(修理か買い替えか)に役立てることができます。
まとめ
ヘアアイロンやコテが「電源が入らない」「温まらない」といった故障は突然起こることがあります。この記事でご紹介した「電源プラグ・コードの状態確認」「コンセントの確認」「スイッチ・設定の確認」「本体の汚れ確認」といった安全な手順を試すことで、原因を特定し、簡単な対処で解決できる場合もあります。
しかし、最も重要なのは「安全第一」です。電源コードの傷みや本体内部の故障が疑われる場合は、決してご自身で修理を試みず、専門家に任せるか、新しい製品への買い替えを検討してください。適切な判断をすることで、不要な修理費用を抑えつつ、安全に快適に家電を使用することができます。
この記事が、あなたのヘアアイロン・コテのトラブル解決の一助となれば幸いです。