【安全対策必須】電子レンジの庫内灯交換は自分でできる?費用と手順を解説
電子レンジの庫内灯、切れて困っていませんか?
毎日の料理や温めに欠かせない電子レンジ。ところが、ある日突然、庫内を照らす明かりが点かなくなってしまった、ということはありませんか? 庫内灯が切れると、温め具合の確認がしにくくなり、非常に不便を感じるものです。
庫内灯が切れただけで、新しい電子レンジに買い替えたり、高額な修理費用をかけて業者に依頼したりするのは、少しもったいないと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、電子レンジの機種によっては、庫内灯を自分で交換できる場合があります。
この方法を知っておけば、出費を抑え、「修理で得する」ことができます。しかし、電子レンジは非常に高い電圧を使用する家電のため、何も知らないまま作業するのは大変危険です。特に感電や火傷のリスクには十分な注意が必要です。
この記事では、電子レンジの庫内灯を自分で交換するために知っておくべきこと、安全に作業するための具体的な手順と注意点を、初心者の方にも分かりやすく解説します。ぜひ参考にしていただき、安全第一で、お困りの状況を解決する一歩を踏み出してみてください。
電子レンジの庫内灯交換は自分で可能?注意点は?
結論から申し上げますと、電子レンジの庫内灯交換は、一部の機種においては自分で交換することが可能です。多くの機種では、本体カバーを外すことで庫内灯にアクセスできるよう設計されています。
ただし、すべての機種で交換が容易なわけではありません。
- 機種による違い: 最新の複雑な構造を持つ機種や、特定メーカーの製品では、分解が困難であったり、専用の部品が必要であったりする場合があります。説明書を確認したり、メーカーのサポートに問い合わせたりすることが重要です。
- 安全に関するリスク: 電子レンジ内部には、電源を切った後でも高電圧を蓄えるコンデンサが搭載されています。これに触れると感電し、非常に危険な場合があります。安全対策を徹底せずに作業を行うことは絶対に避けてください。
- メーカー保証: ご自身で分解・修理を行うと、メーカーの保証が受けられなくなる可能性があります。保証期間内の場合は、まずメーカーに相談することをおすすめします。
これらの注意点を理解した上で、ご自身の機種が自分で交換可能か確認し、安全対策を万全に行うことが大前提となります。
自分で交換するメリット・デメリット
自分で電子レンジの庫内灯を交換することには、いくつかのメリットとデメリットがあります。
メリット
- 費用を大幅に抑えられる: 新しい電子レンジの購入や、業者に依頼する場合と比較して、電球代と工具代(既にお持ちなら電球代のみ)で済むため、費用を大きく抑えられます。
- すぐに修理できる: 電球さえ入手できれば、ご自身の都合の良い時に作業できるため、すぐに電子レンジを再び便利に使えるようになります。
デメリット
- 感電・火傷のリスク: 最も重要なデメリットです。安全対策を怠ると、生命に関わる重大な事故につながる可能性があります。
- 電子レンジを破損させる可能性: 分解や組み立ての際に、誤った手順で部品を破損させてしまうリスクがあります。
- 時間と手間がかかる: 初めての場合、どのネジを外すか、どのように部品を外すかなどを確認しながらの作業となり、時間がかかることがあります。
- メーカー保証が無効になる: 上記の通り、保証期間内の製品では、自分で修理するとメーカー保証の対象外となることが一般的です。
これらのメリット・デメリットをよく比較検討し、特に安全に関するリスクを十分に理解した上で、自分で修理するかどうかを判断してください。少しでも不安がある場合は、無理せず専門業者に依頼することをおすすめします。
電子レンジ庫内灯交換に必要な工具と材料
自分で庫内灯を交換する場合に必要となる、一般的な工具と材料をリストアップします。作業を始める前に、これらを準備しておきましょう。
- 新しい庫内灯(電球):
- 最も重要です。切れてしまった電球と同じ仕様(電圧、ワット数、口金形状など)のものを用意する必要があります。
- 交換する前に、切れた電球や電子レンジの説明書で仕様を確認してください。多くの場合、「電子レンジ用耐熱電球」のような特殊な電球が使用されています。通常の電球とは異なるため、必ず適合するものを選んでください。インターネット通販や家電量販店などで入手可能です。
- ドライバー:
- 電子レンジのカバーや部品を固定しているネジを外すために必要です。プラスドライバーが一般的ですが、機種によってはマイナスドライバーや特殊な形状のネジが使われていることもあります。ネジのサイズに合ったものを用意しましょう。
- ペンチまたはラジオペンチ:
- 電球が固くて外れない場合や、細かい部品を持つ場合などに役立ちます。
- 絶縁性の手袋:
- 必須の安全対策です。 万が一、内部の充電部に触れてしまった場合の感電リスクを低減します。電気工事用のものなど、絶縁性能が明記されているものを用意することをおすすめします。軍手など、通常の布製の手袋では絶縁効果はありません。
- 保護メガネ:
- 作業中に部品の破片などが目に入るのを防ぎます。
- 部品を置いておくための容器やトレー:
- 外したネジや小さな部品をなくさないように入れておくのに便利です。
- 懐中電灯や作業灯:
- 庫内や内部は暗いので、手元を照らすためにあると便利です。
これらの工具・材料は、ホームセンターや100円ショップ、家電量販店などで比較的簡単に入手できます。特に絶縁手袋は、安全のために必ず準備してください。
【最重要】交換作業前に必ず行うべき安全対策
電子レンジの庫内灯交換は、感電や火傷のリスクを伴う作業です。作業を始める前に、以下の安全対策を必ず徹底してください。これらのステップを省略することは、大変危険です。
ステップ1:電源プラグをコンセントから抜く
- これが最も基本的な、そして最も重要なステップです。電子レンジの電源コードを、壁のコンセントから完全に抜いてください。電源スイッチを切っただけでは、内部に電気が流れている部分があります。
- なぜ必要か: プラグがコンセントに挿さっている限り、本体内部には電気が供給されており、感電のリスクがあります。
ステップ2:一定時間待つ(コンデンサの放電)
- 電源プラグを抜いた後も、電子レンジ内部の高電圧コンデンサには電気が蓄えられています。この電荷に触れると感電します。
- 具体的な対策: プラグを抜いてから、最低でも10分〜30分程度は時間を置いてください。機種によってはそれ以上の時間が必要な場合もあります。この時間でコンデンサの電荷が自然に放電されるのを待ちます。
- なぜ必要か: コンデンサに蓄えられた電気は、電源が切れてもすぐに無くなるわけではありません。この残存電荷が感電の原因となります。
ステップ3:絶縁手袋を着用する
- 万が一、充電部に触れてしまった場合に備え、必ず絶縁性のある手袋を着用して作業を行ってください。
- なぜ必要か: 絶縁手袋は、人体と電気を通す部分との間に電気を通さない層を作ることで、感電を防ぎます。通常のゴム手袋や軍手では効果がありません。
ステップ4:乾燥した場所で作業する
- 湿気は電気を通しやすく、感電のリスクを高めます。水回りから離れた、乾燥した場所で作業を行ってください。
- なぜ必要か: 水分は電気の伝導性を高め、感電事故につながりやすくなります。
ステップ5:金属製の装飾品を外す
- 指輪、ネックレス、腕時計などの金属製品は、電気を通すため、作業中に外しておいてください。
- なぜ必要か: 金属製品が内部の充電部に触れると、ショートしたり、金属製品を通して感電したりするリスクがあります。
これらの安全対策は、面倒に感じるかもしれませんが、ご自身の安全を守るために絶対に手を抜かないでください。少しでも不安がある場合は、絶対に作業を強行せず、専門家にご相談ください。
電子レンジ庫内灯の交換手順(一般的な例)
ここからは、一般的な電子レンジの庫内灯交換手順をステップ形式で解説します。機種によって詳細な手順は異なりますので、ご自身の電子レンジの説明書も必ず参照しながら進めてください。
作業前の準備: * 上記の「必要な工具と材料」を全て準備します。 * 上記の「【最重要】交換作業前に必ず行うべき安全対策」を全て実行します。特に電源プラグを抜き、十分な時間を置いてコンデンサを放電させること、絶縁手袋を着用することを忘れないでください。
ステップ1:電子レンジの外部カバーを外す
- 電子レンジ本体の背面や側面に、本体カバーを固定しているネジがいくつかあります。これらのネジを、準備したドライバーで全て外します。ネジのサイズや形状が異なる場合があるので、どこからどのネジを外したか覚えておくか、メモを取っておくと組み立て時に迷いません。
- 注意点: ネジは非常に小さいことが多いので、なくさないように容器などに入れて管理してください。
- 全てのネジが外れたら、カバーを慎重に持ち上げて外します。カバーは側面にツメで固定されている場合もありますので、無理な力で引っ張らず、慎石にツメを外しながら行ってください。
ステップ2:庫内灯の位置を確認する
- カバーを外すと、電子レンジの内部が見えます。庫内灯は、庫内の天井や側面に、カバーのようなもので覆われて取り付けられているのが一般的です。
- 注意点: 内部には配線などが複雑に配置されています。他の部品に触れないように注意しながら作業を進めてください。
ステップ3:庫内灯のカバーを外す
- 庫内灯を覆っている透明または半透明のカバーを外します。このカバーはネジで固定されているか、ツメで嵌まっていることが多いです。
- ネジの場合はドライバーで外します。ツメの場合は、ツメを折らないように慎重に、少し力を入れて押し引きするなどして外します。無理に力を加えるとカバーが破損する可能性があります。
ステップ4:切れた電球を取り外す
- カバーが外れると、電球が見えます。電球の取り付け方は、ネジのように回して外すタイプ(E12口金など)や、差し込みタイプ(ウェッジベースタイプなど)があります。
- 電球の種類に合わせて、ゆっくりと回すか引き抜いて電球を取り外します。
- 注意点: 電球が高温になっている可能性は低いですが、念のため触る際は注意してください。また、ガラス製の場合は割らないように慎重に扱ってください。固くて回らない場合は、ペンチに布などを巻いて滑らないように挟んで回すと外しやすい場合があります。
ステップ5:新しい電球を取り付ける
- 用意しておいた新しい電球を、古い電球がついていた方法と同じように取り付けます。回して取り付けるタイプの場合は、根元までしっかりとねじ込みます。差し込みタイプの場合は、奥まで確実に差し込みます。
- 注意点: 新しい電球のガラス部分を素手で触ると、手の油分などが付着し、点灯時に熱でガラスが劣化する可能性があります。手袋を着用したまま取り付けるか、きれいな布などを使って取り付けてください。
ステップ6:庫内灯のカバーと外部カバーを元に戻す
- 新しい電球が確実に取り付けられたら、ステップ3で外した庫内灯のカバーを元通りに取り付けます。ネジで固定されていた場合はネジを締めます。ツメの場合は、位置を合わせてパチンと音がするまで嵌め込みます。
- 次に、ステップ1で外した本体の外部カバーを元に戻します。ツメをしっかりと本体に引っ掛け、ネジ穴の位置を合わせます。
- 注意点: カバーや部品を戻す際に、内部の配線などを挟み込まないように注意してください。
ステップ7:ネジを締め直す
- 外部カバーのネジ穴に、外したネジを全て戻してしっかりと締めます。ネジを強く締めすぎると、カバーが破損したり、ネジ穴が馬鹿になったりする可能性がありますので、適度な力で締めてください。
ステップ8:動作確認
- 全てのネジを締め終わったら、最後に安全を確認し、電源プラグをコンセントに差し込みます。
- 電子レンジのドアを開けて、庫内灯が点灯するか確認してください。正常に点灯すれば修理完了です。
もし、この手順の途中で分からない点が出てきたり、無理だと感じたりした場合は、絶対に無理せず作業を中断し、専門業者への依頼を検討してください。
自分で交換できない場合や失敗しそうな場合
上記の交換手順を読んだり、実際に作業を始めてみたりして、「これは難しそうだ」「やっぱり不安だ」と感じた場合は、無理に続ける必要はありません。安全が何よりも優先です。
また、機種によってはカバーが外しにくい構造になっていたり、庫内灯が特殊な方法で取り付けられていたりして、ご自身での交換が困難な場合もあります。その場合は、迷わず専門の修理業者に依頼することをおすすめします。
無理な分解を試みると、電子レンジ本体を破損させてしまい、結局買い替えや高額な修理が必要になることもあります。ご自身のスキルや状況に合わせて、適切な判断をしてください。
業者に依頼する場合の費用と選び方
ご自身での修理が難しい場合は、プロの修理業者に依頼するのが最も確実で安全な方法です。
費用相場: 電子レンジの庫内灯交換を業者に依頼する場合の費用は、一般的に出張費+部品代+作業費となります。機種や業者によって異なりますが、目安としては5,000円~15,000円程度が多いようです。ご自身で電球代(数百円~千円程度)と工具代で済むことを考えると、やはり自分で交換する方が費用メリットは大きいと言えます。
信頼できる業者の選び方: 業者に依頼する際は、以下の点に注意して信頼できる業者を選びましょう。
- 事前の見積もり: 作業前に必ず見積もりを依頼し、内容に不明な点がないか確認しましょう。
- 料金体系の明確さ: 出張費、診断費、作業費、部品代などが明確に提示されているか確認しましょう。
- 実績と評判: インターネットなどで業者の口コミや評判を調べてみるのも参考になります。
- メーカー認定業者か: 可能であれば、メーカーの正規修理窓口や、メーカーが推奨する修理業者に依頼すると安心です。
いくつかの業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。
まとめ
電子レンジの庫内灯切れは、不便ですが、機種によってはご自身で交換して「修理で得する」ことができる可能性があります。
しかし、電子レンジの内部は高電圧で大変危険なため、作業を行う場合は、電源プラグを抜く、十分な時間を置いて放電させる、絶縁手袋を着用するといった安全対策を何よりも優先し、慎重に進める必要があります。
もし、少しでも不安を感じたり、作業が難しいと感じたりした場合は、無理せず専門の修理業者に依頼してください。安全が確保された状態で、電子レンジを再び快適に使えるようになることが最も重要です。
この記事が、電子レンジの庫内灯切れでお困りの方のお役に立てれば幸いです。